レンズレビュー:SELP1650(E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS)

 個人的にはひっさびさのレビューです。めんどくさいので型番で呼びましょうSELP1650です。


 このレンズ、α6300なんかを買うとキットレンズでくっついてくるレンズでして、今さらどうなの? と思われるのかもしれないんですが、いやいや旦那、使いどころを知った上で割り切って使えば案外悪くないんですぜ、っていうレンズです。

 私はこの本を執筆した時に、作例撮り用にお借りしていた新品のα6300が気に入ってしまってそのまま購入しまして、その時におまけで付いてきたレンズです。今日の作例もα6300で撮っとります。

 実は中央部、すごくシャープです。ここにアップする作例は長辺を1920pxまで落としておりますが、十分カリカリした感じが伝わると思います。



 このレンズで一番気になるところは、中央がけっこうシャープなのに周辺の描写が安定しないところ。
 もともとEマウント用のレンズって周辺についてはデジタル補正でなんとかしてくんな、っていうデジタル補正前提の設計のものがほとんどなんですが、軽量小型のものほどその傾向が強いんです。まあそりゃそうです。無理やり小さな鏡筒に工学系を押し込めてますからね。

 ただ考えてみて欲しいのは、コンデジやスマホからα5000系や6000系に乗り換えた人たちに、いきなりフルサイズ用のF2.8通しみたいなごっついレンズを持たせたら、速攻でブーブー言うに決まってるんですよ。

 そこでとにかく軽量だよ! ちっちゃいよ! 電源を切るとにゅーっと短くなってバッグに収まるよ! と、涙ぐましい努力でここまで小さく軽くされとります。技術者の方のギリギリの勝負が感じられて私は好きですねぇ、このレンズ。

 もうさ、みんな価格.comなんかに行くと、ものすごいこと書いてますよね。まあ要求レベルが高いからこそ技術者側、経営側も頑張ってより良いものを! ってハードルを越えてくるんでしょうけど、いやーそういうこと言う人たちがそれだけ撮れてるの? って思っちゃうんですよね。わたし道具に対しては大した要求をしない人間なもんですから。

 このブログも、ガジェット的にカメラ道具を扱うことはいたしません。飽くまで写真を撮る道具としてどうか? っていう観点から扱いますんでね……人気出ないだろうなぁ。ネット上でこういうのを検索する人ってほとんどがガジェットとしてカメラやレンズを見る人たちでしょうかから。それも自由なので否定は全然しないですが、「もっと腕を磨いたら楽しいぜ!」がスタンスです。

 さて閑話休題。

 このSELP1650、絞りに関してはF5.6あたりがベストのようです。
 ただ、その程度の絞りだと周辺の流れがけっこうきついままなので、画面全体の安定感でいうとF8がベストのバランスかな。開放で撮ったところで、どのみちめちゃくちゃに近づかないとボケないですし、他の単焦点にそういうところは任せちゃえば良いんすよ。


 あと、面白いっちゃ面白いのが沈胴式で鏡筒が安定しないのか、たまーに周辺が流れないときがあるんです! これピント位置が近いとか遠いとかとも関係ないようでして、また片ボケしているわけでも像面湾曲でもない(あるんだけど症状が出たり引っ込んだりするわけではない)もので、あれこれ撮っていると急に周辺までシャキッとすることがあります。

 シャキッと、つっても10万円以上するようなレンズと比べると、そうアレですけどね。

 また色乗りがあっさりしているので、そのあたりはRAW現像でちょっと足してやると良いでしょう。単純に色を濃くしてしまうと「わー塗ったね」っていう感じなるので、上手いことやってください。ここの作例はすべてRAW撮り、Lightroom現像しています。つっても、そんなダイナミックにパラメーターをいじくってはおりません。整える程度です。


↑この縦位置の地面&影写真なんて、大した質感じゃありませんか?

 これも周辺は流れているんですが、さして気にならないですよね。F8で、1/50sです。そう、手ぶれ補正がけっこうしっかり効くので、1/50s程度なら落ち着いて撮ればOK。

 APS-C用の、しかもキットレンズっていうポジションなので先入観から使えない使えないっておっしゃる方がネット上にはたくさんいらっしゃいますが、たしかに高級レンズだったら撮っていきなり文句なしの絵が撮れたりします。

 でもほら、これそういうレンズじゃないですから。軽くて安い。そこが大事です。
 その割にといいますか、お値段2万円を切りかねないくらいのものなのにこれだけ真っ当に写って、RAWで撮ればけっこういじくり甲斐がある素直な画質なんです。それが凄いですよ。

 ボケがどうこう言うレンズじゃないですって。「写る!」それが何より大事でしょ。これちゃんと写るレンズです。




 というわけでSELP1650、最後にまとめておきます。


  1. 絞って使え!
  2. 周辺は諦めろ!
  3. デジタル補正は当然オン!
  4. ボケには期待するな!
  5. RAW現像の際はシャドーちょい締め、彩度ちょいプラス!

 といった塩梅です。

 ネット上の作例を見た限りでは、そもそもAPS-C機でのレンズの作例って、どれも縮小されていると手ブレなのかレンズの解像力不足なのか分かりづらいものがほとんどで、ようやく高解像度のを見つけたー! と思っても変にRAW現像でいじくり過ぎていたりと、レンズの本当の性能が分からないものばかりなんですよね。

 ということでまとめてアップしておきました。

 わたくし明日にはα6300用に注文した標準ズームレンズが届く予定なんですが、このレンズは予備としてカメラバッグに入れておこうと思います。そういう意味でも良いレンズですよ。