盛岡へ行ってきた 1/2

長い前書き

Youtube動画ですでに公開しているものではあるのですが、旅を文章にしようというのは以前からやってみたいことだったのでブログでも同時進行で写真を掲載しながらやってみようと思います。

 Youtubeでの旅の扱いは、「俺が」「街スナップするために」「どっか行く」でありまして、旅動画というよりは、伴が悩んだ末に選んだカメラを携えて見知らぬ街で不審者をやるというのが主題であります。ですからしゃべくる内容も、写真を撮る人間としてどうか、というところがメインなので、一般的な旅動画のように観光地を巡って感動したー! お役立ち情報はこちら! というものではありません。

 行った先々で思ったことというのは、リアルタイムで脊髄反射的に出ることは動画でそのまましゃべくって記録しておりますが、文章にしてみようと思うと現地ではそんな暇がないので書けず、帰ってきてから書くわけですから、旅の中で得たあれこれが自分のフィルターで濾過されて、その残りが素材になる気がします。

 たとえば新幹線に乗ったら隣の人がめちゃくちゃに落ち着きがなくて困った、というようなことはリアルタイムでの迷惑として大きなものですから、ひょっとすると動画で記録した方がより生々しいものになるのかもしれませんが、旅が終わってみるとそういったことは些末なことであって、岩手、きれいなところだったなあ……というように大きな実感として残るものが本質なのでしょう。

 写真を撮り、また教えている身として、常に被写体に対するアプローチを考えよう、というのを生徒さんに伝えています。

 ものは見る角度からまったく印象が違ってしまいますし、写真はカメラを持った人間が自ら角度を決めることで、被写体の印象を写真の鑑賞者にどう見せるかを決定できるという、なかなか怖いメディアであります。

 自分が観測した範囲の非常に狭いところが対象ではありますが、動画と文章という2つのアプローチで表現してみるのも面白いかもしれません。あとは読んでくれる皆さん次第。

岩手へ

 岩手へ行ったのは、夏木さんというお友達とYoutube活動およびリアルで写真を教える中で知り合いまして、地元岩手をこよなく愛する夏木さんから、東北にはいつ来てくれるんだ、と会うたびに聞かれており、また私もYoutubeの配信などで「岩手は2019年の8月に行こうかな」となんとなく時期を決めて行くことにしていたので、その約束を果たすために行ったものであります。

 日程は一泊二日。たったそれだけで何が見られるのか、何が撮れるのかわかりませんが、周辺のあちこちへは行ったことがあるものの岩手へは初でしたので、まずは様子見と思い、駅から1kmほどの安いホテルを押さえて行ってみることにしました。


 西東京の自宅から大宮へ出て、そこから東北新幹線です。
 西村京太郎ミステリーばりに時刻表に関するあれこれを書ければまた一味違った旅ブログになるのかもしれませんが、写真をやるというだけで他はただのおっさんの私からすれば「新幹線、鼻が長くてかっこいい」であります。

 新幹線の鼻ってながければながいほど空気抵抗が少ないんですねって。最近はより鼻が伸びる傾向にあるようです。焦点距離をなんmmにしてこの鼻の長さを表現しよう……と考えるのがこういった長もの撮影の常。あとは表面の艶ですね。素材はなんでしょうか、まさかFRPということもないでしょうが、かといって重い金属を使っているようにも思われません。アルミかな。



 盛岡へは意外なほどさっくり到着。時間にして2時間弱であります。

 盛岡の駅は、新幹線に乗った大宮駅と違いがわからないくらい、現代日本の中都市の駅ってこんな感じですよね、という佇まいです。日本国内を仕事プライベート問わずあちこち訪ねていて思うのは、ハブ駅になるようなところと、その街の人口を支える周辺の住宅地と、それに付随した商業施設というのは恐ろしいほど平準化されており、各地方の特色などというのは望むべくもありません。

 写真を撮る人間のわがままとしては、各地方に明確なカラーの違いがあり、かつ古い建物が大量に残っており、可能であればボロボロの廃墟がそこら中にあって、さらには珍奇な格好の地元の方々が見たこともないような変わったイベントを繰り広げてくれていたりすると、そんな楽しいことはありません。ある意味で楽です。

 しかしそれは写真を撮る側のわがままであって、実際にそこで暮らす皆さんにとっては生活に利便性が高いほうが良いに決まっているんですよね。

 私の実家は春になると桜が咲いて、近隣からその桜を見に来るようなところにあります。地元民の私からすると、祭は経済的な面でも雰囲気の面でもヤンキーやチンピラや本当の裏社会の皆さんをひきつけてしまう面があるものですから、自分の住んでいる地域の治安が一時的に悪化するのが不愉快で仕方がありませんでした。

 私はもうすでにおっさんになってしまっていますから、地元民の生活がよそから来た人間に少しでも乱されるのは間違いなく不愉快であろうし、乱されるのであればそれなりのメリットを外部の人間がもたらさないといけないというふうに考えています。


盛岡駅周辺をうろうろ

 盛岡駅の周辺をカメラ片手にウロウロしてみることにしました。
 最終的にはホテルに着けば良いので、直進せずなんとなく寄り道しながら、といった感じ。
 荷物はカメラだけ入るリュックひとつに、着替えを入れたバッグを下げて行ったので身軽なものです。

 長期の滞在であればスーツケースを持っていったりするのですが、それだと移動中はほぼ写真が撮れません。両手が空いていないと撮れないのは宿痾のように感じられます。




 北上川を渡ったり戻ったりしながら、盛岡駅を背にして東の方へ進んで行きます。

 

 盛岡の人々は、というほど大量に人並みをかき分けたわけではないのですが、なんとなく静かに暮らしている人たちなんだなあ、という印象。
 東北といえば「雪」「忍耐」というようなイメージを簡単に抱きがちですが、それぞれ色んな事情を抱えて生きていることでしょう。年齢も性別も違えばあらゆる考えが違うはず。

 でも、だからこそ統計なんかに出てくる数字が面白いんですよね。岩手県民はどういった傾向を持っているんでしょうか。







 国内の旅先ではほぼ必ず飲み屋街を撮っています。
 密度が高くてごちゃごちゃしていて人間の欲望が高濃度で存在するので、一番人間の生々しい部分が見られて面白いからです。

 盛岡の飲み屋街は昼間であることを差し引いても、だいぶ静かな感じ。以前は欲望むき出しの人々が集っていたが……という雰囲気です。

 飲み屋に行って飲んで遊ぶ時代でもなくなったということなんでしょうね。新宿・歌舞伎町あたりはそれでもまだ人が沢山いますが、話を聞くと遊ぶ人の数は減ったようです。
 かくいう私も夜遊びはまったくしない人間なので、動向と結果として飲み屋街を撮り歩いているだけなのですから、バーのママなどからすれば迷惑以外の何物でもないのかもしれません。

ホテル着でまた外出

 2時間ほど歩いてホテルに着きました。

 今回カメラはデジタルのみで、EOS RPという軽量のミラーレス一眼にレンズを2本と思い切り省エネセットにしてあります。またデータをバックアップしたり確認したりするノートPCも、旅程が短いので自宅で待機です。

 着替えを置き、思い切り身軽になって、盛岡の城跡公園とその周辺を撮りに出ます。









 城跡公園の中は散策用という感じで特に写真を撮るのにめぼしいものはないのですが、その先にあった飲み屋街が撮影にぴったりでした。こぢんまりとして清潔ですが、サイズといい並びといい、写真を撮りたくなるところでした。

 元は堀であっただろう蓮の池が良いアクセントになっています。

 城からもう少し離れると急激に現代的な建物ばかりになってしまうので、元はもっと大きな飲み屋街だったのがここだけ残ったのかもしれませんね。まさに城下町という感じ。



 城跡に戻ってみると、緑の庭園がすばらしくきれいでした。

 盛岡の駅に降り立った時はそう強く感じていなかったのですが、盛岡の緑が季節もあってか大変きれいでした。
 関東地域は、初夏のごく一時期を除いて植物の緑が茶色がかっているように感じられて、実際に写真に撮ってみても色のコントロールが難しいのです。それが岩手に来て撮ってみると、緑の色が均一で雑味がないので実に気持ちの良い緑色写真になります。


 空気がきれいだからか水がきれいだからか、その両者の賜物なのかはわかりませんが、ここから後、岩手県内にいる間、ひたすら「緑がきれいだな」という気持ちを抱き続けることになります。




 川っぺりの緑も、やたらときれい。どうしたことでしょう。




 城跡をぐるっと回って東側に抜けると、盛岡名物である岩手銀行の建物です。

 Youtubeに動画をアップしたところ、コメントで「やっぱり行かれましたね」というようなコメントをもらいました。札幌の時計台みたいなもので名物なんでしょうね。

 わたし名物飯を食ったりしないので、旅の写真といえば! で名物写真コレクションをやろうと思うと圧倒的に不利なんであります。コテコテの名物建物もあまり興味がないのですが、こうして撮るとやはり力強いです。名物になるだけの強さがあります。







 とかなんとか歩き回っているうちに夜になってきました。足が棒です。
 もう疲れたから帰ろう、いや日が暮れた後の飲み屋街も見たいからのんびり帰ろう……と、どこかに入って休憩でもすれば良いのに、喫茶店で時間を潰したりするのがもともと極端に苦手な性分で、外でうろうろしているか家や宿に引き上げてしまうかの二択しかありません。

 この日は再び外に出た時間が遅かったので、適当にうろうろしながら撮り歩いているだけで良い感じに夕暮れ時に差し掛かってくれました。




 市街地で撮り歩いていると、空が雲もこもこに加えてアンニュイに色づいています。風景写真的には大変おいしい状況なので、町の情景と絡めて撮っていきます。



 太陽よりも人工光の方が支配的になってくると本格的に夜写真、という感じ。

 盛岡駅に着いてすぐにうろうろしておいた飲み屋街まで戻って撮り歩きます。




 本格的に夜になっても特に飲み屋街がグッと盛り上がることはなく、淡々と夜が更けていく感じでありました。

 盛岡は静かに暮らすのに良さそうだなあ、まるでJoJoの奇妙な冒険、第4部の杜王町編のようだなと思いました。実際インフラ的には申し分ありませんし、清潔で、人が静かそうで、一揃いあるのだからあれこれ煩わされずに暮らすのには良いんではないか、いやいや実際に住んでみると通り過ぎるだけの人間には見えない意外なほど緊密な関係があって大変なのかもしれない……というようなことを感じました。実際どうなんでしょうね。

 町を歩き回ってみると「お前誰やねん」というよな刺さる視線を中高年の皆さんから感じたのですが、排他的という感じではなく、単にそういう風習があるんだろうなという気がしました。ヤンキーがファミレスに入ってきた人間を一斉に見るような、だからといってどうということはないあの感じに近いのかもしれません。


 こうして盛岡初日は終わり、翌日に続きます。

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